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長編
シリアス・オリキャラ有り

ぬるめですが・・・裏の苦手な方はご注意下さい。
なお、「.5」ものは、読まなくてもストーリーに支障をきたさないものですので、
ここを見ずに22へ進まれても問題はありません。
大丈夫という方のみどうぞ。



 体力的にも、そもそも身体的にも無理があると、心の一部では理解していても。

 もう止める術がみつからなかった。

 抑制の鍵はとうに崩壊していた。


「ん、……ふ、ぅ」


 時々酸素を求めるようにエドワードが唇を動かす。

 それでも失いかけた目の前の呼吸がまだ足りずに、ロイは彼を喰う。

 苦しそうにエドワードの瞳が潤めば、ロイはキスの雨を降らす。

 再びエドワードの唇を絡め取ると、甘く咬みながら湿った舌を差し込んだ。

 暖かな意思をそこに確かに感じると、恐ろしいほどに安堵感が襲ってくる。

 それは、やっと視界が安定してきたエドワードにもわかった。

 エドワードは今出来るだけの自分を隠さずに伝えながら、軋む右手でロイの頭を撫でた。


「っ……はがね、の」


 透明な糸を微かにひいて、ロイは驚いてそう言った。

 エドワードはその呼びかけには答えずにそのままロイの頭を自分へ寄せる。そのまま今度は自分から、ロイの唇に食らいついた。

 力はあまり無く。それがあまりに優しく思えて、ロイは堪らなかった。

 今残っているその力で、答えてくれている。

 その今出来る力が、たったこれっぽっち。

 攻撃性の全く無い、優しい優しい唇。

 それすら、彼の今の限界なのに。ついさっき、心が戻ってきたばかりなのに。答えてくれるのは。

 限界の力で、精一杯の動きで暖めてくれている。

 まるで自分の方が子どもだ、とロイは痛感する。

 どうしようもなく、愛おしい。

 こんなに、狂わされるほどに。

 堪らない。

 ロイは半ば無意識に少し汗ばんだ自身の右手をエドワードの上着に滑り込ませる。

 迷うことなくその小さな突起に手を伸ばす。優しく撫でると、エドワードの身体が小さく戦慄いた。

 ただ彼に感じて欲しくて、夢中で愛撫する。

 啄ばむように彼の柔らかい唇を奪いながら、だんだんとその場所を移動させていく。首筋を、鎖骨を。胸元を。


「ん、……ッ」


 堪らずエドワードの口から音が零れる。

 先に弄られて赤みを増した胸元をしっとりとざらついた舌が這う。その舌に絡め取られて、エドワードは耐えられない。

 苦しそうに荒い呼吸をしながら、エドワードはロイの動きを止めようとした。


「や、めっ」


 どこだと思っているのだ。

 それ以上侵入するなと。

 しかしそんなことは全くロイには届かない。


「あぅッ」


 思わずエドワードが仰け反った。

 制止を聞き入れるどころか、いきなり下半身にその手を侵入させて力のまだない、やっと熱を帯びてきたばかりのそれを強く握りこんだ。

 エドワードにはそれを止める力は今はない。

 まさか本当にここまで侵入してくるとは思わなかった自分が居た。

 さすがにないだろうと。

 でも、己への怒りと憤怒と、恐怖と疲労、全てを完全に映したあのロイの瞳の前で、さっきはただただ、ああ答えた。

 しかし、万が一彼が襲ってくれば、逃れる術はどう考えてもないことも、ぼんやりと思っていた。

 とにもかくにも、そこまでの思考回路は回復していなかった。


「声は我慢しなくていい。音は外には漏れない」

「っ」

「既にそういう風にできている」

「あっ……んたはッ」


 大義名分とはまさにこのこと。しかしこんなこと非常識も甚だしい。

 命の助かった佐官のために、この部屋だけは強化されているのだ。その際に、防音効果を踏まえた。

 外の騒音を防ぐという名目で。


「さっ……いてー」

「そんなことを言わないでくれ」

「アッ……んっ」


 エドワードの言葉を飲み込む代わりに、ロイはエドワードの、自分に比べればまだ幼さの残る彼自身を口腔に含んだ。

 チロチロとその先端を可愛がれば、堪らずエドワードの口から音が零れる。

 呼吸が更に荒くなる。

 喉の奥が鳴る。

 ズボンはすでに半分ほど引き摺り下ろされ、膝辺りに引っかかっている程度だった。

 根元から丁寧に舐めあげる。エドワードに纏わりつくロイの舌はエドワード自身を戦慄かせる。

 それがはっきりとロイに示されるから、ロイの思考もほかの事を考えない。考えられなくなる。余裕など、ない。

 本来なら、すぐにでも彼の中に入り込みたい。

 しかし、そこだけは辛うじて残る理性がまだ制止している。

 せめて、彼に生きていることを実感させてやりたかった。

 そして、それは他の誰でもない、自分がしてやりたかった。

 そう。今すぐに刺し貫いてしまいたい気持ちだけをねじ込んで押さえつけるので精一杯だった。


「あ……うっ」


 今のエドワードにはその絶対的な攻撃に抗う術は何も無い。力がない。

 むしろ。

 ロイが視線を上げれば、映るのは瞳を潤ませたエドワードの恍惚の顔。

 しかし、そこには恍惚だけではないことにすぐに気付いた。

 何度と見た、彼の表情だからこそ。

 幾ら防音されていると言われても堪らず口を覆っていた冷たい右手が動く。その手は自分の喉を覆った。


「鋼、の」

「あ、あ……はっ」


 口に含まれたまま名前を呼ばれて、ピクリと身体を振るわせたエドワードだったが、すぐに苦しそうにヒュー、と喉を鳴らした。


「ッ!」


 耐え切れずに咳き込む。

 まだ思うように呼吸ができない。

 安静にしていれば違うのだろうが、意図的にその場所を弄られればそうも言ってはいられない。


「うっ……」


 喉の奥が痛い。

 切なそうに眉間に皺を寄せて苦しむ姿が、ロイの壊れた理性を少しだけ補正する。


「鋼の」


 呼ばれても答えられない。


「……すまない。私は、ただ」


 病み上がりどころではない。

 死の淵から引き戻したばかりだ。全てが満身創痍。

 やっと空気を吸ったエドワードは、自分の下半身に顔を埋めるロイに視線を向けた。

 何をやっているんだ、とぼんやり思った。

 しかし、快楽に溺れきっていなくても、意識は普段より確実に低迷している。


「……」


 エドワードが何かを言おうとしたが、ロイには声は届かなかった。届いたのは、ぼんやりとしたような、黄金の瞳。


「――!」


 何かに突き動かされるように、再びロイがエドワードに愛撫を始めた。

 責任を、取る。

 既に脈打つエドワード自身を早く開放させてやりたかった。

 もっと表情を見たくなった。啼かせてやりたくなった。

 それはエドワードのためなのか。ただの自己満足のためなのか。

 それすらももう遠く感じる。


「ッ……あ、あんッ、んっ」


 エドワードが顎を仰け反らせて身体を震わせる。


「いいよ、鋼の」


 ロイはそれを誘うように、きつく吸い上げた。


「一滴残らず飲み干してやる」

「ッあ……あ、あああっ」


 天を仰ぐ。

 吐き出された欲望は、欲望が枯渇することの無いロイに喰らい尽くされた。



* * *



 自分には甘い男だと、自ら思った。

 何とかして機能させていた抑制心は最後まで持たなかった。

 自分よりも、彼を思えば、とても耐えられる状態ではないと重々承知の上で。

 彼に無理を強いた。

 今の彼には拒む言葉も体力も無いことを知っていて。

 まるで陵辱のように。

 吐き出された、彼の生きているしるしを指に絡めて気付けば彼の秘所に押し当てていた。


「ちょっ……お、いっ!ッアっ」


 苦しさと確かに襲ってくる快楽が同時に押し寄せてきてエドワードを理性の淵へ追いやる。

 余裕の無いロイは決して優しくない性急な愛撫を絶えず繰り返す。

 差し入れる指を増やすタイミングで彼の芯を激しく愛撫する。


「う、あっああ、あ」


 されるがままに、ただ肉体を玩ばれるように。

 若い身体は、反応も従順だ。

 もともとはっきりしていなかったエドワードの思考回路はすでに崩壊寸前だった。

 きつく埋め込まれていた指を一気に引き抜かれて、エドワードの身体が揺れる。

 その場所にロイのものが宛がわれても、現実をはっきりと認識できない。

 ただ、指とは確かに、全く違うそれが押し寄せてきたときだけは、どうしようもなくて。

 ロイは躊躇わずに貫いた。


「あ、あっ…う、んっ…たい、さッ、ああっ」


 耐え切れずに零れるその声すら愛おしくて。もっと聞きたい。もっと啼かせたい。

 熱い熱がロイを締め付ける。

 確かに今、ここにある愛おしい熱。熱い肉壁がロイを捉える。

 失いかけた大切なもの。

 エドワードは埋め込まれたその熱をどこかで感じていた。最早意識が朦朧としていてはっきりとわからない。

 それでも、肉体だけは呼び覚まされる。

 ロイがエドワードを刺し貫くたびに以前より少しだけ小さくなったようにも見えるエドワードの身体が揺れた。

 内壁を擦られるたびにエドワードの喉が啼いた。

 最奥の場所を突かれれば震えた。

 思わず引けそうになる腰はロイに既に奪われ、襲ってくる快楽を全て受け入れるしかなかった。

 前も息つく間もなく愛撫され続けて。

 もう前がよく見えない。

 喉がひどく渇いていた。

 酸素が届かないくらいに。喉が鳴る。


「は、がね、の」

「あうっ…ン、んっ」


 その唇が大佐、とゆっくりと言葉を紡いだのが確かに解った。声にならなかった声を確かに聞き届ける。

 ロイの動きで、それが近いことをぼんやりとエドワードは悟る。

 身体を走る甘い痺れは、次第にエドワードの意識を奪っていった。


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